ビーズ刺繍は、シンプルな布があなたの手であなただけのアート作品に変わる魅力的な趣味です。特にオートクチュール刺繍のマントゥース技法には作品を美しく作る秘訣がぎっしり詰まっている技法です。
この記事では、ビーズ刺繍デビューの第一歩として、初心者でもすぐに実践できるマントゥース技法「基本ステッチ5選」を、私自身の実体験を交えて詳しく解説します。
これらのテクニックをマスターすることで、最初の一針に感じる不安を解消し、作品作りの自信へと繋げることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。
・使いやすい糸の長さがわかります
縫い糸と縫い針の基本
糸の長さは長すぎず短すぎず、下記を目安にしましょう。
- ビーズや石座付きクリスタルを刺繍するとき→1本どり
- スパンコールを刺繍するとき→2本どり
長さは35〜40cmが扱いやすいです。長すぎると糸が絡まりやすくなりますし、短いと頻繁に糸を変えなくてはいけなくなります。
バックステッチ(連続刺し)
バックステッチは、ビーズ刺繍の基本のキ。線を描く際によく使われるステッチで、切れ目のない連続した線が特徴です。文字や輪郭など、多用途に使える万能な技法です。
やり方
- 布の裏側から針を出し、ビーズを2粒通し、下絵の線上に置き、幅を合わせて垂直に針を入れます。
- 先生から少し避けて2粒の真ん中の線上に針を出します。
- 2粒目のビーズに針を通します。
- 糸を進行方向に引きます。
- これを繰り返します。
ポイント
- 縫い目の長さと間隔を揃えることで、美しい仕上がりになります。
- 曲線や細かいデザインにも適しています。
- 基本は「2粒通して1粒戻る」「4粒通して2粒戻る」、最後に基本ができない時は「1粒通して1粒戻る」「3粒通して2粒戻る」で調整します。

私はお花のビーズ刺繍した際、このバックステッチを使いました。最初は花びらのラインがガタガタに空れましたが、練習するうちにきれいな線が描けるようになり、大満足の仕上がりになりました。プレゼントとしても喜ばれる技法なのでおすすめです。この技法のおかげで、自分だけのオリジナルデザインを作れる楽しさを知りました。
コーチングステッチ
コーチングステッチは図案に沿って配置したワイヤーやメタル糸(モール)・ビーズなどを別の糸で押さえるように留めていく技法です。花びらや葉っぱなどモチーフのラインによく使われます。
やり方
- 下絵に沿って芯になるワイヤーやモールなどを置き、別の糸を通した針を下絵の線に沿って出します。
- 糸を跨いですぐ向こう側に針を入れます。
ビーズの場合
- 下絵に沿って必要な長さのビーズを針に通します。
- 終わりの位置に針を入れ、1粒戻った下絵の線上に針を出します。
- 糸を跨いで縫い留めます。
ポイント
- 芯に対して糸が垂直になるように刺すこと。
- 糸を無理に引くと芯のワイヤーやモールが曲がってしまうことがあります。

ピアスを作ったときに、この技法に挑戦しました。最初はビーズが多すぎて歪んでしまったりと苦戦しましたが、徐々にコツを掴みました。必要な長さより1〜2粒少なくするときれいなラインが作れます。
ヴェルミセル(一粒刺し)
ヴェルミセル(一粒刺し)は面を埋めるときに使います。見た目以上に簡単で初心者にもおすすめです。
やり方
- 布の表側から針を出し、1粒ビーズを通し、すぐ真下に針を入れます。
- これを繰り返して、ビーズの向きがいろんな方向に向くように1粒ずつ刺します。
ポイント
- 必ずビーズの幅で垂直に針を出し入れしましょう。
- ビーズやクリスタルの穴が上を向かないように注意しましょう。

デニムのジャケットのポケットに刺繍した時、この技法のおしゃれさと自由度に魅了されました。このジャケットは今でも愛用しており、自分だけのオリジナルアイテムとして誇りに思ってます。
スパンコールの連続刺し
スパンコールを続けて刺すテクニックです。花の中心や木の実など立体的なアクセントとして活躍します。
やり方
- スタート地点から針を出し、スパンコール①を1枚通し進行方向(右)側すぐ横に針を入れます。
- スパンコール①の穴から針を出し、縫い留める。
- ②枚目のスパンコール②を針に通し、①の右端から半径分先に針を落とし、土台布をすくって①の右端から針を引き出す。
- 針をスパンコール②の穴に通し、糸を引きながら進行方向の反対(左)に倒し、スパンコールを倒した後、指で固定し、糸を引っ張るときれいに重なります。
ポイント
- ビーズのように進行方向に糸を引くとスパンコールが立ってしまうので、必ず逆に糸を引きます。
- スパンコールの穴が見えそうで見えない、スパンコールがピタッとネているのが良い状態です。均一にするには力加減が重要です。

ストールにバラ柄の刺繍でこの技法を使いました。この作品は春らしさが気に入って今も使っています。この技法のおかげでシンプルな洋服や小物に立体感とアクセントを加える楽しさを学びました。
スパンコールのビーズ留め
スパンコールを美しく留めていく技法です。
やり方
- 付けたい位置に針を出し、スパンコールを通し、さらにビーズを1粒通します。
- スパンコールの穴に針を入れます。
ポイント
- 最初と最後はプチポワン(返し縫い)をしましょう。
初心者へのアドバイス
- 毎日10分の練習: 定期的な短時間練習で技術は確実に向上します。
- シンプルな図案から始める: 小さな花や文字など、まずは簡単なデザインで慣れることが大切です。
- 道具にこだわる: 品質の良い刺繍枠、針、糸を使用すると作業効率と仕上がりが向上します。
- 失敗を恐れず挑戦する: 失敗は成長のチャンスです。小さなミスでも原因を分析し、次回の改善に役立てましょう。
まとめ
今回ご紹介した5つの基本ステッチは、ビーズ刺繍デビューに必須な技法です。
- バックステッチ(連続刺し):基本のキ。線を描く際によく使う。
- コーチングステッチ:文字や輪郭の美しい輪郭線を作る。
- ヴェルミセル(一粒刺し):面を美しく埋める、華やかな仕上がり。
- スパンコールの連続刺し:装飾的な曲線が可能な万能技法。
- スパンコールのビーズ留め:スパンコールを美しく留める。
これらのテクニックをマスターすれば、あなたの作品の幅は無限に広がります。
ぜひ、繰り返しの練習とこだわりの道具で、あなただけのオリジナル作品を作り上げてください。
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