暑さの名残がある中でも、街を歩けば金木犀の香りや落ち葉の色に秋の訪れを感じる頃になりました。この季節はただ景色を楽しむだけでなく、人の心も創作意欲に包まれる不思議な力があります。
涼しくなった空気の中で、家族とゆったり過ごしながらものを作る時間は、忙しい日常のリズムをやさしく整えてくれます。特に「親と子、そして祖父母も一緒になれるハンドメイドイベント」は、単なる遊びを超えて世代をつなぐ架け橋になります。
手を動かす楽しみを共有しながら会話が深まり、作品を通じて「思い出」という形のない宝物まで手に入れられる―それがこの季節の魅力だと私は感じています。
私が毎年楽しみにしているのが、全国800名近いクリエイターが集う「東京ハンドメイドマルシェ」です。今年の開催概要と、昨秋に孫と一緒に体験した思い出を交えながら、ご紹介します。50代、60代の女性読者の皆さんもぜひ、手仕事を通じて子どもやお孫さんと共有できるワクワクを味わってください。
東京ハンドメイドマルシェ2025春 イベント概要
「ハンドメイドマルシェは日本各地を巡回する大規模な手仕事の祭典で、毎回数百人単位の作家さんや出展者が集います。東京開催は特に規模も大きく、アクセサリー・雑貨・伝統工芸・ビーズなど、多種多様な作品に出会うことができます。
○開催日:2025年4月18日(土)〜19日(日)
○時間:10:00〜17:00 ※当日券販売は16:40まで
○会場:東京ドームシティ プリズムホール(東京都文京区後楽1-3-61)
○入場料:前売1日券:1,000円 当日1日券:(一般)1,200円 ※小学生以下無料
○出展数:約750名の日替わり作家ブース
○内容:アクセサリー、雑貨、ビーズ刺繍、伝統工芸、フェイクスイーツ体験など
約700名超の作家が日替わりで出展
最大の特徴は、会期中に出展作家が日替わりで総入れ替えになる点です。つまり、1日目に訪れた人も2日めにはまったく新しい発見を楽しめる仕組みになっているのです。
私が嬉しいのは、ただ展示を眺めるだけでなく、実際に作家さんから直接教わりながら体験できるプログラムです。「作る人と使う人」が同じ場に立ち、一緒に作品を形にしていくプロセスこそ、このイベントの一番の醍醐味だと感じています。
チケット情報
入場チケットは、前売券と当日券が用意されています。お得な割引チケットもありますので、ご自身の来場スタイルに合わせてお選びください。
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小さな手が輝いた一日―私と孫の体験記
昨年の秋、私は当時5歳の孫を連れて初めて東京ドームシティのプリズムホールを訪れました。
会場についた瞬間、彼は色とりどりの作品を見て目を丸くし、「おもちゃ屋さんみたいだね!」と声を上げました。けれど「僕に作れるかな?」と少し不安そうな一言も。そんな様子を見て、私もどんな一日になるかドキドキしていました。
最初に挑戦したのはフェイクスイーツづくり。小さなタルトの土台にカラフルな樹脂粘土を重ねていくと、孫は一気に夢中になりました。「ブルーベリー置いたらおいしそうだよ!」と提案してくれたり、「クリームはこっちのほうが絞りやすいね」と工夫したり。
本人がどんどんアイデアを出し、自分の手で形にしていく姿は、普段の甘えん坊な表情とはまるで違い、小さな職人気質を彷彿とさせました。完成したスイーツを手に、周りの人から「本物みたい!」と褒められたときの誇らしげな笑顔は、今も私の心に残っています。
その後、挑戦したビーズ刺繍では、更に驚かされました。ビーズを手に取りながら、「この青と金を並べたら星座みたいになるね」と語る孫。私は思わず「そんな発想があったのね」と頷き、ともにひとつのブローチを仕上げました。
完成した作品を胸につけると、孫は「おばあちゃんと一緒だからできたんだよ」と誇らしく言いました。その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなり、あの時間そのものが“宝物”になったのだと強く感じました。
さらに会場には同世代の祖父母と一緒に参加している家族も多く、子ども同士が隣で仲良く材料を交換し合う場面もありました。三世代で協力し合う時間が自然に生まれていて、「こういう空間こそ日本の家族文化に根付いていけばいいな」と思わず感じたほどです。
三世代で楽しめる理由
イベントの魅力は作品の多彩さだけではありません。小さな子どもが安全に体験できる簡単なワークショップが用意されている一方で、じっくり学べる本格的な講座もあるので、親子だけでなく祖父母も一緒に挑戦できます。
また、会場内にはフードコーナーや休憩スペースも備えられているため、体力に不安を感じる世代でも安心して過ごせます。こうして世代を超えて同じ場所・同じ体験を共有できるのは、このイベントならでは大きな価値だといえるでしょう。
親子三世代が楽しめるポイント
1.3歳以上から参加OK
幼児向けのワークショップが多数用意されているので、小さなお子さんでも安心して挑戦できます。
2.日替わりブース
750名の日替わり作家を入れ替え制で楽しめるため、一日目と二日目では全く異なる作品に出会えます。
3.ワークショップの充実
30分ほどで完成する体験教室から、本格的に技法を学べる少人数クラスまで多彩。親子で同じテーマを楽しめるプログラムもあるので、世代を越えた交流が生まれます。
4.フード&カフェエリア
会場内には軽食やドリンクを提供するエリアがあり、休憩スペースで祖父母世代もゆったり過ごせます。
会場への行き方
後楽園の駅を出て東京ドームがみえるだけでワクワクしてくるのですが、さらにプリズムホールへ向かって歩いていると、ジェットコースターなど遊園地から楽しそうな絶叫が聞こえてきて、こちらまで楽しい気分になります。
電車をご利用の方
- JR「水道橋駅」西口より徒歩4分
- 都営地下鉄三田線「水道橋駅」A2出口より徒歩5分
- 東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」2番出口より徒歩5分
- 都営地下鉄大江戸線「春日駅」6番出口より徒歩7分
車をご利用の方
三井リパーク東京ドーム駐車場、ラクーア駐車場、東京ドーム第2駐車場が便利です。ハンドメイドマルシェでのお買い物には駐車場割引サービスは適用されませんので、お気をつけください。
下記の地図の◎の部分がプリズムホールです。東京ドームシティは遊園地や様々なショップがところ狭しと並んでます。ハンドメイドで楽しんだあとは遊園地で遊んでもいいですし、温泉でゆったりと体を癒すこともできるアミューズメントパークです。ぜひ楽しい1日をお過ごしください。
私は、東京ドームシティに行くときは、丸ノ内線の後楽園駅を使っています。
2番出口をでて、駅ビルからつながっている陸橋を渡れば、もうそこは東京ドームです。東京ドームに沿って左回りに進み、野球殿堂博物館を通り過ぎ、半周ほどするとプリズムホールが見えてきます。
参加前に押さえておきたい6つのコツ
1.前売り券をオンラインで購入
当日券より200円お得。Webからの購入でスムーズに入場できます。
2.スケジュールを事前にチェック
気になるワークショップは定員制の場合が多いので、公式サイトやパンフレットで日時を確認し、早めに申し込むのが安心です。
3.小さなリュックに道具を
ハンドメイド用のはさみ、手拭きタオル、おしぼり、飲み物を入れておくと便利。
4.歩きやすい靴で
広い会場内を長時間歩き回るため、ヒールは避けてスニーカーやローヒールがおすすめ。
5.スマホでメモ&写真
気になるアイデアや配色を見つけたら、スマホで撮影すると帰宅後の作品づくりに役立ちます。
6.お土産用の紙バッグを用意
会場で手に入れた小さな素材や作品をまとめておけるよう、マイバッグや紙袋を持参すると重宝します。
会場で気をつけたいこと
◎会場でのマナーやルールを守りましょう
他の来場者の方のプライバシーもあります。写真や動画を撮って個人のSNS等でイベントを紹介する場合は、事前に申請をするなど、会場ごとのルールを守ってイベントを楽しみましょう。
◎お子さんから目を離さないように
作品をみるのに夢中になりすぎて、お子さんを見失なわないようにしてください。私の子供が小さかった頃、横にいたと思っていた子供がふと振り返ったら居なくて、会場中を探し回ったことがあります。見つかるまで生きた心地がしなかったのを今でも覚えています。
これからの開催スケジュール
「東京ハンドメイドマルシェ」は秋以降も全国各地で開催されます。お近くの会場があれば、親子三世代でものづくりの秋を楽しんでみてはいかがでしょうか。
- 10月4日(土)~5日(日):金沢(石川産業展示館)
- 10月18日(土)~19日(日):静岡(ツインメッセ静岡)
- 11月2日(土)~3日(日):横浜(パシフィコ横浜)
どの会場も、地域ごとに特色あるワークショップや作家ブースが並びます。ぜひ公式サイトで開催情報をチェックして、家族だけの思い出をつくりに出かけてみてください。
まとめ:手仕事がつなぐ世代を超えた笑顔
ハンドメイドマルシェは、単なる「子供向けの体験イベント」ではありません。大人が同心に返り、祖父母が安心して参加でき、子供が自分の力を試せる場所。三世代それぞれが主体となり、同じ時間を分かち合えるかけがいのない空間です。
作品として残るのはもちろんですが、それ以上に「その時の笑顔」「一緒に考えた会話」「初めて完成させてときの達成感」が、家族の記憶として刻まれていきます。
今年の秋、もし家族で新しい思い出をつくりたいと感じている方がいたら、ぜひ一度足を運んでみてください。きっとあなたの家族も、新しい絆が芽生えるはずです。
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