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ビーズ刺繍と私〜15年の軌跡〜失敗と感動が生んだ傑作たち

15 Years of Masterpieces 作品ギャラリー

私がビーズ刺繍の世界に足を踏み入れてから、15年という年月が流れました。この間、数多くの失敗と成功、そして試行錯誤の積み重ねから、唯一無二の作品たちが誕生しました。今回は、私の転機となった「大輪のバラ」から挑戦の集大成となった「ベリーダンス衣装製作」まで代表作をご紹介します。

各作品には、私自身の苦悩や努力、そして学んだ教訓がぎっしり詰まっており、まるで人生の縮図のような物語が息づいています。この記事を通して、あなたも自分自身の創作の可能性に触れてみてください。

【大輪のバラ】 私の転機となった作品

beaded roses

制作のきっかけ

ビーズ刺繍を始めた5年目に制作したものです。以前、子どものバレエ衣装の制作をしていた経験から、世界で活躍されているベリーダンス講師との出会いがあり、制作させていただくことになりました。

初めてのご依頼を受けたとき、正直なところ「自分にできるのだろうか」と不安でいっぱいでした。特に依頼主の方が「赤いドレスをより華やかにしてほしい」と目を輝かせて話してくださった姿が今でも忘れられません。

打ち合わせの帰り道、頭の中で何度もデザインを描き直し、夜遅くまでビーズの配置を考え続けた日々が続きました。それでも「この方の期待に応えたい」という気持ちが、私の背中を押してくれました。

  • パーツの選択:洗濯可能なスパンコールを各花びらに採用し、遠くから映えるように太いラインには丸大ビーズを使用。
  • 苦労した点:直径20cmと30cmという大きなスケールのバラの花を制作する上で、必要なスパンコールの量も想像以上で何度も買い足し、約1ヶ月かかりました。
Rose
Rose

初めてのこの作品を制作する中で、ビーズの配置、汗や洗濯に負けない素材の選択に悩みました。完成したバラの衣装を身にまとったダンサーの姿をみた時は、これまでの苦労や失敗がすべて報われた瞬間でした。あの輝く一輪のバラは、私の創作人生における転機となったのです。

【ウェディングドレス】新たなステップを実感した作品

wedding dress production

挑戦した技法

このドレスは、ビーズとパールをふんだんに使い、特にウェストベルト部分にヴェルミセル装飾を施すという高度な技法に挑戦しました。また、胸元と背中には、1cm間隔でパールを一粒ずつ丁寧に刺み込むことで、エレガントなVラインを生み出しました。

ウェディングドレスといえばビーズやスパンコールのビージングが美しいドレスの代表です。この作品では、ドレスから全て制作させていただきました。ヴェルミセルで装飾する作業は1日かけても5〜6cmしか進まず、ベルトだけで1週間以上かかりました。

また、パールを1cm間隔で縫い留める作業は、想像以上に神経を使いました。微妙なズレが全体のバランスを崩すため、何度もやり直しを余儀なくされました。

完成したドレスを依頼主にお渡ししたとき、その涙ぐむ笑顔と共に「一生の宝物です」と言われた瞬間、これまでの苦労がすべて報われた気がしました。この経験が、私にとって大きな自信となり、次の挑戦への原動力になりました。

【ベリーダンス衣装製作】集大成としての大作

belly dance belt

制作のきっかけ

いくつかのアップサイクルやお直しをきっかけに、これまで蓄積した技術をすべて活かして新たな衣装の制作依頼がありました。バレエ衣装とは全く勝手が違い、不安も大きかったですが、やはり「作ってみたい!」気持ちが勝りました。

技法と工夫

この作品では、それまで学んだすべての技法を駆使しました。特に苦労したのは、ウェストベルトです。使いたいパーツはいくつか決まっていましたが、どんな模様にするのかは細かい構図は作らず、全体のイメージを壊さないようにし、メインのパーツを配置して作りながらイメージを固めていきました。

ベリーダンス衣装のブラ土台は、一般的な布とは違い、硬いプラスチック素材で独特なカーブがありました。最初はビーズがうまく固定できず、何度もやり直し、夜中に「もう無理かも…」と涙がこぼれたこともあります。

それでも、少しずつコツを掴み、最終的には自分でも驚くほど美しい仕上がりになりました。ショー本番でダンサーがその衣装を身にまとい、舞台で輝いている姿を見たとき、心の底から「挑戦してよかった」と感じた、忘れがたい経験となりました。

私の作品づくりにおける大切なこと

私が15年間、作品を作り続けてきた中で最も大事にしていることは、作品に込める「想い」です。

相手を想う心

私が作品を作るとき、必ず依頼主の方の顔や、どんなシーンで使われるかを思い浮かべながらデザインしています。例えば、結婚式のドレス制作時には、依頼主の「家族へ感謝を伝えたい」という想いを込め、裏地に小さなハートのビーズをそっと縫いこんだ作品もあります。

常に学び続ける姿勢

ビーズ刺繍の世界は奥が深く、15年経った今でも日々新しい発見があります。技法や材料は常に進化しており、それらを学び、自分の作品に取り入れていくことが重要だと感じています。

私は毎年、国内外のビーズ刺繍展示会に足を運び、最新の技法や材料について情報収集しています。また、他の作家との交流も大切にしており、お互いの技術や経験を共有し合うことで、自分の作品の幅を広げています。

挑戦することを恐れない

新しい技法や表現方法に挑戦することは、時に大きな失敗を伴います。しかし、その失敗こそが次の成功につながると信じています。

「大輪のバラ」や「ウェディングドレス」、「ベリーダンス衣装」など、それぞれの作品で悩みながらも工夫と挑戦を重ねる中で、手作りの喜びと自己表現の楽しさを再確認しました。

15年の数々の挑戦を乗り越えた経験が、私の創作にさらなる深みを与えています。

これからの展望【未来へ向けた新たな挑戦】

15年の経験を経て、私のビーズ刺繍への情熱はますます強くなっています。これからも新しい領域に挑戦していこうと考えています。

最近注目しているのは3Dプリンターです。立体的なオリジナルのパーツにビーズ刺繍を施すなど、従来では実現できなかった表現方法にも挑戦したいと考えています。

また、リサイクル素材を使用したビーズや、環境に優しい素材を使い、美しさと環境への配慮を両立させた作品を作っていくことは未来への義務のようにも感じています。これからも、伝統的な手法と最新技術を組み合わせて、誰も見たことのない作品を生み出していきたいです。

まとめ:あなたも新たな一歩を踏み出そう!

15年間、数々の失敗と挑戦の中で、ビーズ刺繍は私に計り知れない成長と喜びをもたらしてくれました。「大輪のバラ」での転機、「ウェディングドレス」での苦悩と成功、そして「ベリーダンス衣装」への挑戦は、すべてが私の宝物です。

この経験は、ビーズ刺繍が単なる趣味や手芸にとどまらず、自己表現と感動のアートであることを証明しています。15年の経験を糧に、これからもビーズ刺繍の無限の可能性を追求し続けていきたいと思います。

私自身、何度も失敗し、時には挫折しそうになりながらも、ビーズ刺繍を続けてきました。もし今、あなたが「自分には無理かも」と感じているなら、私の15年の歩みが少しでも背中を押したら嬉しいです。

どんな小さな一歩でも、続けていけば必ず自分だけの物語が生まれます。あなたの手から生まれる作品が、誰かの心を暖かくする日を、私も楽しみにしています。

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