私がビーズ刺繍を始めたのは、50代目前のころです。子育てが一段落し、ふと気が抜けたような日々の中で、「最近、買い物リストを忘れたり、約束の時間を間違えたりすることが増えたな」と感じるようになりました。
特に離婚を経験した直後は、心にぽっかり穴が空いたようで、なにか新しいことを始めたいと強く思ってました。そんなとき、偶然手に取ったビーズ刺繍の本が、私の毎日を大きく変えてくれたのです。
同じように自分自身の時間をどう過ごそうかと考えている方へ、今回はビーズ刺繍が単なる「手芸」の枠を超え、あなたの心と脳を豊かにする素晴らしい新習慣になり得ることをご紹介します。
指先を動かし、美しいビーズを紡ぐ作業は、あなたの想像以上に奥深く、毎日をイキイキと輝かせる秘密が隠されているんです。
「私って、こんなに集中できたんだ!」マインドフルネスで心を整える
日々の暮らしの中で、私たちは様々な情報に触れ、やることがたくさんあります。時には、漠然とした不安やストレスを感じることもあるかもしれません。そんな時こそ、ビーズ刺繍の出番です。
ビーズ刺繍は、「今、この瞬間」に意識を集中させるのに最適です。私がビーズ刺繍に没頭しているときは、テレビの音も、スマホの通知も、全く気にならなくなります。例えば、先日はバックステッチで雲のブローチを作っている最中、気づけば2時間も経っていました。
針を動かす手の感触や、ビーズが糸を通る小さな音に集中していると、心の中のざわざわがすっと静まり、まるで深呼吸をしているような感覚になります。これが私にとっての「無」の時間で、毎日のストレスが自然と和らいでいくのを実感しています。
これが、今注目されている「マインドフルネス」の状態です。
テレビの音も、スマホの通知も、頭の中の心配事も、まるで遠くの世界のことのように感じられます。ビーズの色や形、針が布を通る小さな音、指先の感覚に意識を向けることで、心が研ぎ澄まされ、穏やかな集中力が生まれます。
この「無」になる時間は、日中の慌ただしさで凝り固まった心を優しく解きほぐし、深いリラックス効果をもたらしてくれます。まるで温泉に浸かっているかのように、じんわりと心身が癒されていくのを感じられるはずです。
「私にもできた!」の嬉しさで自己肯定感UP
「もう〇〇歳だから、新しいことを始めるのは億劫…」そんな風に思っていませんか?ビーズ刺繍は、年齢や経験に関わらず、誰でも気軽に始められるのが大きな魅力です。
私がビーズ刺繍にハマったのはアラフィフの頃。視力もちょっと気になる頃でしたが、すてきなビーズ刺繍の本に出会い、一気にハマってしまいました。最初は小さな作品から作って、今ではいろんな作品を作り、数多くの方にビーズ刺繍を教える側になりました。
初心者向けのキットを使えば、必要な材料が全て揃っていて、すぐに作品作りに取り掛かれます。初めて作ったのは、直径3cmほどの小さな丸いイヤリングでした。最初は、ビーズを落としたり、針に糸を通すのに手間取ったりと失敗の連続。
でも完成したイヤリングを手に取った瞬間、「私にもできた!」と声が出るほど嬉しかったのを今でも覚えています。そのイヤリングは今でもお気に入りで、外出時につけていると、友人から「手作りなの?素敵だね」と褒められ、自信につながりました。
この達成感は、何ものにも代えがたい喜びです。自分が作った作品を身につけたり、部屋に飾ったりするたびに、その喜びが蘇り、自己肯定感がグンと高まるのを感じられます。
この小さな成功体験の積み重ねが、日常生活にもポジティブな影響を与え、「次はもっと難しいものに挑戦してみようかな」「他のことにも頑張ってみよう」という意欲につながっていくはずです。
色のチカラが気分を整える!五感にやさしい時間
ビーズ刺繍の魅力は、その豊かな色彩にもあります。宝石のような輝きを放つクリスタルビーズ、マットで落ち着いた色合いのビーズ、透明感のあるガラスビーズ…。世界には、数えきれないほどの美しいビーズが存在します。
作品作りの前に、色とりどりのビーズを眺めるだけでも、心が弾みます。今日の気分に合わせて色を選んだり、季節の移ろいを表現する配色を考えたり。この「色を選ぶ」という行為自体が、実は素晴らしいセラピー効果を持っているんです。
私は気分が落ち込んでいるとき、明るいオレンジや黄色のビーズを選ぶことが多いです。不思議と作業をしているうちに、気持ちが前向きになっていきます。逆に、静かに過ごしたい日は、淡いブルーやグリーンのビーズを使って刺繍をしています。色選びの時間そのものが、私にとって癒やしのひとときです。
五感をフル活用し、色と質感に触れることで、感性が磨かれ、心が満たされていくのを感じられるでしょう。色の組み合わせによって作品の印象がガラリと変わる面白さも、ビーズ刺繍ならではの醍醐味です。
脳が喜ぶ!指先が鍛える「脳トレ」効果の秘密
私はビーズ刺繍を始めると時間を忘れてしまうほど集中してしまいます。10分経ったかな?と思ったら30分過ぎていることはいつものこと。なので、数時間のつもりが半日すぎてることも…笑
さて、ここからはビーズ刺繍がもたらす「脳トレ」効果について深掘りしていきましょう。「手は第二の脳」とよく言われますが、これは科学的にも裏付けられています。指先には多くの神経が集中しており、指先を細かく使う作業は、脳の広い範囲を刺激することが分かっています。
最近は、複雑な図案にも挑戦しています。ビーズの色や数を間違えないように、図案を何度も確認しながら進めるので、自然と集中力が鍛えられている気がします。実際、以前よりも物忘れが減り、買い物リストを覚えていられるようになったり、細かい作業にも自信が持てるようになりました。ビーズ刺繍を続けることで、頭の体操になっていると実感しています。
具体的には、以下のような脳トレ効果が期待できます。
- 集中力・注意力UP!
- 図案を読み解き、ビーズの種類や色、刺す位置を確認する。
- ビーズを数えたり、均等な間隔で刺したりする。
- これらの作業は、他のことに気を取られずに一つのことに没頭する「集中力」と、細かな違いに気づく「注意力」を飛躍的に高めてくれます。
- 記憶力UP!
- 途中で作業を中断しても、どこまで進めたか、次にどの色を使うかなどを記憶しておく必要があります。
- 新しいステッチや技法を覚える過程も、脳に良い刺激を与え、記憶力の維持・向上につながります。
- 空間認識能力UP!
- 平面の布の上に、ビーズを使って立体的な模様を作り出すことは、頭の中で形や配置をイメージする「空間認識能力」を養います。
- 完成形を想像しながら、どのようにビーズを配置していくか考えることは、まるでパズルを解くような楽しさがあります。
- 問題解決能力UP!
- 「あれ、このビーズ、刺しにくいな」「この色だと、思ったより地味に見えるかも」といった小さな「問題」に直面した時、どうすれば解決できるかを考える力も自然と鍛えられます。
- 試行錯誤を繰り返すことで、日常生活における問題解決能力にも良い影響を与えるでしょう。
このように、ビーズ刺繍は「美しく何かを作る」だけでなく、知らず知らずのうちにあなたの脳を活性化し、認知機能の維持・向上に貢献してくれるのです。
さあ、今日から始めるビーズ刺繍で、新しい自分に出会いませんか?
「でも、難しそう…」「私にできるかな…」と感じる必要は全くありません。ビーズ刺繍は、特別な道具をたくさん揃えなくても、手軽に始めることができます。最初は、簡単なブローチやキーホルダーから始めてみてはいかがでしょうか?
始めること、そして楽しむこと。これが一番大切です。もし今、新しい趣味を探しているなら、ぜひ一度ビーズ刺繍に挑戦してみてください。私自身、50代から初めて人生がより豊かになりました。
失敗しても大丈夫。小さな一歩が、思いがけない楽しさや達成感につながります。これからも私の体験や作品作りのコツをブログで発信していくので、一緒にビーズ刺繍を楽しみましょう!
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